ひとと植物・環境 |
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植物をもちいる療法は、植物そのものやその植物をひとが育て利用する活動、植物が育つ環境によって成り立たっている(図4-1)。対象としての植物「しずかな命」そのものの特性がまずあり、その対象の特性の違いが他の療法(第1章、図1-3参照)との違いになっている。 そして活動も、植物を育てるということを中心に、植物が育つ時間や季節、天候にあわせ、過ごす、その実存的ともいえる園芸活動の特性と、活動がおこなわれる環境や植物がもたらすさまざまな感覚の呼び覚ましが、他の媒介をもちいる療法との違いである。 |
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治 療 構 造 | ||||
*療法の構造はこちらをクリック → 「治療援助構造と要素」 |
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対象(植物)のと特性 | ||||
対 象 ・植物は光合成により独立栄養を営み、水と光があれば、自ら育つ ・芽生え、育ち、実り、枯れるという死と再生を繰り返す ・ひとは植物に自分や自分の人生を重ねてみる ・植物の死と再生に、ひとは象徴的イメージを抱き、自己を投影し、安心感を抱き、生きとし生けるものの自然なリズム に身をまかせることで、死と再 生という実存的事実を受容する ・動物と植物の食の相と性の相は、半期ずれて相互に依存している。 ・動物は、植物がつくった有機物(植物本体や果実、種子、球根、芋など)を摂取して生きている。 ・そして、動物によって、植物は繁殖の可能性を広げている。 |
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活 動 植物を育て、その活動の結果である植物の恵み(実り)を収穫します。ひとが生きるために必要な栄養となるものを「食べる」(消費する)ために、実りを「採る」(作物の収穫)ために「育てる」。このひとの命と生活の基本となる「生産と消費」が、植物や園芸を療法としてもちいることの豊かさといえます。 「育てる」ことを通して、その「実り」を「採る」「使う」ために、「育ち」の時間をともに「過ごす」。その「過ごす」過程で、ひとは植物やその環境を五感により「感じる」。植物がつくる環境や植物が育つ環境に、身を置き心身を「委(ゆだ)ねる」。 療法としての園芸活動は、「育てる」「過ごす」「感じる」「採る」「使う」「委(ゆだ)ねる」という活動と植物とのかかわりにあります。 |
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活動−ひとと植物・園芸活動 | ||||
環境−自然・場・人 | ||||
植物が作る環境、植物が育つ環境のように、環境が療法の重要な要素になる療法はありません。四季の変化や天候、植物の生育など自然な環境に、直接、身体感覚をとおして触れるということが、園芸療法の大きな特徴の1つです。 |
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草花や野菜の育ちは、時の流れ、時間のリズム、自然のうつりかわりという四季のリズムがあります。昼と夜、寒さや暑さ、天候の変化、四季のうつりかわりを身体で受けとめる。その1日のリズム、四季のリズムとともに、大きな時間の流れと生命のリズムがあります。そのリズムは、季節感や時間の感覚、基本的な生活のリズムを取りもどす指標となるのです。
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**詳細は、『ひとと植物・環境』pp.51-74、青海社、2009 | ||||
ひとと植物・環境 |
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