作業をもちいる療法の基礎   コミュニケーションとは   ZIZI-YAMA 

 
統合認知機能と感覚の発達Ayres,1979」山根改変)
統合認知機能とその発達

 統合認知機能とは、入力感覚を適切に処理し、外界に対して適応的に対処するための判断をおこなうに必要な脳の機能。感覚の統合は生後2か月くらいから始まり、基本的な構造が整うのはおおよそ6歳頃です。
感覚機能の発達

 
皮膚感覚や揺れ、リズム、音などの処理は、自分の安全を守る防衛機能(反射的)として対象を弁別することが第一義的な役割で、自己と外界の境界を認識する自我意識や自己と身体の関係を確立する基礎情報となります。そして、母子関係においては基本的な安心感、自分以外の世界に対する基本的信頼感と深く関連しています。
 前庭覚・固有覚系の処理は、身体部位の位置関係を理解し、姿勢を維持することが基本の役割で、重力と自分の身体の関係の「しっかり感」は、すべての行動の基盤となる身体性の安心感、自己と外界との関係における情緒的な安心感と深く関連しています。 
能動的行動の基礎形成

 皮膚感覚や前庭覚・固有覚などの入力が基礎情報として蓄積され、神経や筋・骨格系の発達に伴い、身体の地図(身体図式)の形成が始まります。そして身体図式が形成されると、身体を目的的に動かすための設計図の作成(運動企画)が可能になります。発達的には、1歳くらいから皮膚感覚、前庭・固有覚の入力から身体図式の基本的な形成が始まります。
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