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ひとと音・音楽に |
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*音・リズム・音楽、楽器、そして音楽活動(聴く、歌う、奏でる、創る、(踊る)のどの
要素がどのような効用をもたらす可能性があるのかを考える必要があります。 |
環 境 面
環境面の効用には、心理的効用と物理的効用とがあります。いずれも、直接的効用ではなく、生活環境を調整工夫することで生活能力を高め、適応を改善するという意味で、環境療法に類する効果です。
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感 覚 運 動 機 能 面
感覚運動機能
・自己内外からのさまざまな感覚刺激が感覚受容器(図5-2)から適切に中枢に伝わり
・それぞれの感覚刺激情報が、過去の経験により蓄えられた情報と照合、弁別され
・感受されたものが具体的な意味をもったものとして把握され
・その把握された対象や現象に対して、どのように対処するかが判断され
・対処に必要な運動の企画がなされ
・中枢から効果器(筋)に司令が出され
・その指令により対象や現象に対する対処がなされる
といった一連の機能をいいます。
(山根 寛(2005).「ひとと作業・作業活動第2版」pp91-99) |
音楽の利用と効用
楽器の種類や音楽に合わせた身体運動に伴う、さまざまな感覚刺激や必要とされる弁別機能の違 いを利用して、身体図式・身体像、左右判 別、自己身体部位の同定、手指認知、身体の両側認識、 身体の位置認識、触覚統合、弁別(図−地、空間関係、対象の恒常性、立体覚、形 態の恒常性、 視知覚、聴知覚、触知覚、他)などの改善をはかります。
たとえば、高次脳機能障害などに対し、リズミックな聴覚刺激から感覚能力を高め、運動を誘発、 身体の空間図式、力と筋緊張の適応、機 能的動作パターンを誘発します。また、歌唱や吹奏楽器 の演奏は、呼吸や心肺機能の維持、改善、嚥下、発音、構音機能の維持・改善など の身体機能の リハビリテーションになります。
(山根 寛(2007).「ひとと音・音楽」pp.76-78) |
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精 神 認 知 機 能 面
音・音楽そのものの効用
1)音や音楽の振動(体感音響振動)の神経生理学的効用
リラクセーション、不安や痛みの軽減、ストレスの緩和、誘眠効果など
2)音楽の芸術性や意味の効用
主観的情緒的に感情移入による情動の表出、コントロール、カタルシス、回想 |
音楽活動における表現行為の効用
1)歌唱・演奏−直接的音楽表現行為
身体性の補いによる心情の吐露(自我開放・基本的欲求の充足)、情動の適応的発散、
注意力、集中力、ストレス耐性の改善
達成感、有能感の充足、自信の回復
2)作詞・作曲−間接的音楽表現行為
人間固有の独自の美や価値を創造、表現する活動は、自我を開放し、思いを表すという基本的欲求を満たし、カ
タルシスをともなう高次元の自己愛が満たされます。 |
音楽活動における身体性の精神面への効用
歌う奏でるという衝動を身体エネルギーとして発散する昇華活動が、音楽活動における身体性の重要な効用の一つです。
(山根 寛(2007).「ひとと音・音楽」pp.71-76)
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心 理 社 会 機 能 面
心理社会的機能
社会生活に必要な基本的な生活のリズムを保ち、自分の情緒や気分を知り、衝動をうまくコントロールしたり、自分に関することを知り(自己認 知)、受け入れ(自己受容)、適応的な防衛や行動(対処行動)をとるなどのさまざまな能力を高めます。 |
音楽の利用と効用
音楽活動を通した共有体験により、相互のコミュニケーション、二者関係技能をはじめ、さまざまなレベルの集団関係技能など社会性が育まれます。
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詳細は「ひとと音・音楽」(青海社,2007) |
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