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      作業・作業療法

   → 詳細は「ひとと作業・作業活動 新版」をご覧くださi.
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    ひとの生活行為(目的と意味を持って行っている作業)をもちいるすべての人へ

 ひとが日々、意識と自覚の有無にかかわらず目的と意味を持って行っている作業すなわち生活行為をリハビリテーションや生活支援の手段とするOccupational Therapyに関連する、作業や作業することの意義、作業をもちいたリハビリテーションの治療機序など、諸々についてのページです。 

                 
                    目的と意味を持って行われる作業、生活行為とは


                    

 作業療法における作業の意義は、作業をすることや作業をしてもらうことではない。関わる者とその関わりを受ける者が作業を介して関わる。そのプロセスにおいて作業を行う者が得る満足感や心地よさといった感覚的変化。たとえば利き手が運動麻痺で十分使えずいつもは機能訓練の時間に間に合わないからと介護をする人に食べさせてもらっている人が、食事をするという生活行為において多少の手助けを得ながらも工夫された食器をもちいて不自由な自分の手を使って食事をした。「時間はかかるけど、今日は自分で食べることができました。うれしい。自分で食べるのはおいしい」この思いを抱ける、同じ食事という生活行為でもこうした満足感や心地よさを伴っておこなう、それこそが作業をもちいる関わりにおける作業の意義。
 その意義が形になる関わり、それこそが生活行為をもちいるリハビリテーションや生活支援における「関わりのコツ」。

                    

 生活行為をもちいるリハビリテーションや生活支援の技術は、すべて私たちの日々の生活行為の中にある。他の科学のように新たに発見することや理論を組み立てなければならないものではない。人類が誕生したときから、ひとの解剖学的構造も生理学的機能も変わってはいない。そのひとが生きるために行ってきた目的と意味のある作業、その作業をすることの中にすべてはあり、その意識することなく行われていることの意味や仕組みに気づく感性とその仕組みをひとの健康に活かす技、それがあってこそ、作業をもちいる療法の知識や技術が活きる。薬物療法のようにだれが投与しても同じ効果を求めるものではない。作業をもちいる感性と技が求められる。

                       生活行為をかかわりにもちいる者の役割

 生活行為をもちいるかかわりにおいて、関わる者はどのような役割をとればいいのだろうか。リハビリテーションや生活支援のニーズに適した作業を選択し、対象者にその作業を適切にもちいるために適応・修正(adaptation)や段階づけ(grading)をおこなう。そうして作業をもちいたかかわりが始まれば、効果を判定しながらそのニーズに応じたはたらきかけをする。この一連の過程が関わる者役割にあたるが、この流れのはじまりにおける作業の選択が、大変重要な役割になる。
 通常は、対象者の主体性の尊重ということで、「何がしたいですか」「何でも自分でしてみたいことに取り組んでみましょう」と、相手に決定をゆだねてしまうことが多い。また、日本作業療法士協会が進めている「生活行為向上マネジメント」でもちいられている興味・関心チェックリストなどにより、ある作業を現在しているか、していないがしてみたいか、経験の有無にかかわらず興味があるかどうかなどを対象者に聞く方法がとられる。

 「‥‥がしたい」という内発的動機がある人に作業を勧めるのはたやすい。そうした人には、適応・修正(adaptation)や段階づけ(grading)をおこなえばよい。しかし、作業療法の対象となる病いや障害がある人の多くは、「‥‥がしたい」という内発的動機がある状態ではない。あなたの自由に何がしたいかと聞かれても、困るか、適当に思いつくものを口にすることになる。そうした状態にある人に対して、興味や関心をもって作業が選択できるような、また、これなら少し取り組んでみようという気持ちになるようなはたらきかけをする、それこそが作業をもちいて関わる者にとっての重要な役割である。あなたはどのような誘い方、示し方ができるだろうか。

                                                                                  「ひとと作業・作業活動 新版」(三輪書店、2015)7章参照
            工事が始まりました
 作業・作業療法に関連する講演資料

@作業療法の基礎知識:精神認知機能径の作業療法を中心に、作業療法の基礎となる理論構成を示したもの(現 職者研修プレゼン資料) 
A心身統合の喪失と回復:2006年第40回日本作業療法学会のテーマに始まる作業療法の治療機序を示したもの(2009年九州PTOT合同学会の教育講演プレゼン資料)
B楽しむ作業:第2回京都作業療法学会教育講演資料2013/5
C作業療法の未来(さき):第33回近畿作業療法学会講演資料2013/9
D深めよう!広げよう!作業療法の技術 第15回愛媛県作業療法学会20150201
E作業療法の未来と展望 第49回日本作業療法学会予定
 [作業・生活行為]に関連する総説,論文など

@愛しあい,結ぼれ,命を宿し,産み,育てる−障害がある人たちの生活支援をICFの視点から− 作業療法ジャーナル44,558-562,2010
 人が出逢い、惹かれ、愛しあい、結ぼれ、命を宿し、産み、育てる。仮にその人たちに障害がある場合、その支援はどのような意味をもつのか、そうした支援の重要性や現状を含め、ICFの点から「なにをいまさら」という思いと「そしてまだ?」という2つの思いを述べた
A治療・療養環境と生活障害−「住まい」という視点から 臨床作業療法8(6) 550−554,2011
 治療・療養環境と生活障害について,そのとらえ方と基本的な視点を整理した.
Bハレとケ-行事がつむぐ生活 OTジャーナル49, 1255 -1259
 四季折々の行事が,人々の社会生活や日々の暮らしにどのように影響しているのか,行事は作業療法でどのように用いられているのか
Cひととことばと作業と 臨床精神病理 35(1),59-66,2014
 ことばは,あいまいな現象や心の深層を明確にする.しかし,ことばはときとして侵襲性を伴う.作業は客観性ではことばに及ばないが,非言語的なコミュニケーション機能はことばにならない真実をつたえる.